2004年洋楽ベストアルバム



Van Hunt / Van Hunt



2004年の音楽シーンを考察する中でその特徴を自分なりに考えてみると、ジャンルの垣根が無くなりつつあるという点が一昨年から引き続いて挙げられると思う。

それはリスナーが音楽に向き合う姿勢にも表れていて、Rock、Hip-Hop、Reggae等ジャンルに拘ってチョイスするのでは無く、良い物であれば何でも受け入れるという良質な音楽人が増えているように感じる。

2004年のビッグヒットとなったOutkastはその典型ではないだろうか?本来であればHipHopという枠に収められてしまうアーティストではあるが、彼らの多様性は幅広いジャンルのミュージシャンから共感を集め、今年もっとも支持されるアーティストとなった。



さて今年のベストアルバムに挙げたVan Huntだが、彼もジャンルの垣根を超えたアーティストだ。New Soul的要素は強いがRock、Funk、Soul、Blues、Jazzと多彩なエッセンスを盛り込んだサウンドは新人とは思えないほどのクオリティの高さ。

とにかくラジオで流れていて「この曲いいな」と思って聴いた曲が調べてみるとVan Huntだったという事が彼のアルバムが発売された当時に何度もあった。

早速アルバムを購入してみたところ全曲いい。Dustの練り上げられたメロディライン、Out Of The Skyの洗練されたアレンジ、Her Decemberのテクニカルなグルーブにノックアウトされてしまった。



但しこのアルバムはあくまで私的ベストであって、多くのリスナーに支持されたアルバムとはいい難い。大規模なプロモーションをかけたにも関わらず、セールス的には大ヒットとは程遠い結果となってしまった。非常に良質ではあるが2004年の空気感は掴めていなかったという事であろう。




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ちなみに他の候補としては「Alicia keys /Diary Of」「Maroon5 / Song About Jane」「Prince / Musicology」「Incubus / Crow Left Of The Murder」「Brian Wilson / Smile」等。なんか外資系CD屋のランキングみたいだ。今年はFMを聴く機会が多かったからなぁ・・・。